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植田プロデューサー インタビュー

Qこの『FLAG』という企画の立ち上げに関して、お伺いしたいのですが。
植田私がアニプレックスという会社に入ってですね、そこで「ロボットものをやりたい」というスタッフがおりまして。そこで「植田はサンライズでロボットものをやっていたし、ぜひそういうモノをやってほしい」というオーダーがありまして……。そこから、ちょっと高橋良輔さんにお願いしたというのが『FLAG』の企画です。

Q視聴者への提供形態として、なぜWEB配信が先行することになったのでしょうか?
植田これも、語りだすとすごく長いんですが……とにかく何か新しい方法でやってみたいなと思ってですね、WEBで配信という選択をしたんです。ただ最初からWEBでやるということで決まっていたわけではなくて、より作品を、あまり色々な雑音を入れることなく、世にどうやって送り出せるか、というのが僕のプロデューサーとしての仕事なので……。今、どうしてもテレビに載せる場合と言うのは、テレビのコード(規制)というものがありますし、そのために制作費以外にも莫大なお金がかかったりする部分もありますので、あんまりそういうところに余分なお金をかけるよりは、作品に投下したいということが一つ。あと、どうしてもテレビだと表現ができないものもあるので、そういうことも含めてWEBという形で配信してみたいな、ということで……。まあ、スタッフは「早くテレビで見たい」と言っていたんですが、思い切ってWEBからスタートという形で決めさせてもらいました。

Q作品のクオリティに関しては、お伺いしたいのですが。
植田クオリティですか? 「クオリティ」と言う言葉はすごく曲者でして(笑)。結局、見る人によって「期待していたものに対してどうだったか?」ということが、結構大きいと思うんですね。僕らは、非常に曖昧な意味で「クオリティが高いもの」と言っても、全然スタッフの感覚によって変わってくるので、それを最終的に決めるのは、もちろん監督であったり、それを統括しているプロデューサーだったりするんですけども……。さっき言った「テレビじゃなくWEBで」というのも、「出来るだけクオリティを落としたくないな」ということもありまして。TVだと放送がありますから毎週コンスタントに制作していかないといけないわけですが、毎週毎週作るということに関して犠牲にしていかなきゃならない部分もたくさんあるわけです。WEBでの配信である程度、毎週(作り続けるわけ)ではない。また、たくさんの人が観てもらえるということで言うと、その分、スタッフは頑張って、それぞれの部署で自分の……何て言うですかね? 言ってしまえば、スタッフが持っている力を100に近い形で出せる環境に持っていくことが、結局はクオリティだと思うんですよね。そういう意味では、実は(作品の制作が)スタートしてから、かなりの時間も経っているんですが、その分、スタッフの力も充分入っていますので、クオリティの高い作品になっているだろう、と思います。

Q植田プロデューサーから見て、高橋監督という方はどんな方ですか?
植田僕から見て? いや〜、よく働くしね(笑)、よくしゃべるしね。……いや、素晴らしい人だと思います。今、監督といわれる方々の中で、プロデューサー的な能力を持った監督というか、「プロデュースということ」が分かる力を持っている人としては、アニメ業界の中でもベスト3に入るんじゃないでしょうか。そういう意味では、ある意味ですごくやりやすいところと、もうちょっとワガママでもいいのじゃないかと思うところと……。非常に大先輩ですし、逆にこの企画だけじゃなくて、いつもいつも頼りにしているんで、ぜひ長生きして……何のコメントだ?(笑) 還暦のお祝いみたいなコメントだな(笑)。とにかく長く仕事をしてもらいたいと思っています(笑)。

Q高橋監督が「この企画の話をいただいたときに、“まずロボットと女の子を出す”という条件は、自分がやりたいことをやりたいようにやるための隠れ蓑みたいなものだ」みたいなこともおっしゃっていました。そういう風にどんどん高橋作品的な“濃さ”が高まっているような感覚がしますが、それに関しては?
植田そうですね。……いや、全くいいと思います。むしろ条件と言いますが、その条件も無理矢理入れているんじゃないので……。ただ、どうしても、得意なものだけだと新鮮味もないじゃないですか。ロボットものはもちろんずっとやってきていますが、じゃあ本当に高橋良輔監督が今、新しいロボットモノがやりたいのかと言えば、ロボットそのものではなくて「ロボットもいる新しい作品」なんですよね。だから、それがカメラマンものという、それがドキュメンタリータッチだとか、そういう大枠の中で出てきているわけです。それが、どうしても男性カメラマンじゃなきゃ表現できないことなのかどうか、と言えば、女性でも出来るんならば女性にしてくださいよ(笑)、というくらいの話だったんですよね。

Q田中麗奈さんのキャスティングに関しては、かなり植田プロデューサーもこだわられたというお話だったんですが。
植田そうですね。ヒロインがなかなか画面に出てこないという作品、ヒロインでありながらヒロイン目線の、彼女が撮影した映像で作品が構成されている、そうした映像なので、やっぱり声には存在感が欲しい、存在感が表現できる人にやってもらいたいということがありました。あと寺田監督も、あんまりアニメっぽい芝居は出来るだけ今回は外したいという意向がありまして。そうなると芝居が出来る人がいいかな、いわゆる普通の役者さんにやってもらいたい、と考えまして。そうして色々人選した結果です。それで「ぜひとも……」とお願いをした結果、田中さんサイドも「面白そうなんで」と言っていただけまして。そのことでは今回は非常に私も喜んでいます。演技的には上手い人なので、そういう意味では問題ないだろうと思います。

Q視聴者さんに向けて、見所をお願いします。
植田そうですね……全部と言ってしまえば、全部なんですね。基本的に「ちょっと、さっ〜と1回観て、あぁ〜……」という作品ではないんで、ある期間は何回もダウンロードして観れますので、何回も観てもらって。逆に観るだけじゃなくて、今、PLAYLOG(http://playlog.jp/c/flag/)という新しいSNSサービスでファンコミュニティサイトを作ろうと思っていますので、そこにどんどん入ってもらって、一緒になって『FLAG』というものを楽しんでもらえればいいな、ということで……とにかく観てください、と。全部観てください、何回も観てください、ということをお願いしたいと思います。

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