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FLAG予備知識集 / 桝谷直俊
■「ロボット開発の現状」

それでは今回からは「ロボット兵器」について書きたいと思います。

ですがそもそもロボット兵器とは何になるのでしょう? ロボットという単語は、チェコスロバキアの作家チャペックが、チェコ語のrobota(強制労働)から作った造語で、「人造人間」という意味で使われていました。現在ではロボットは、

自律式の機械
人間型の機械
の2種類の意味で使用されています。
1つめの「自律式の機械」という意味でいえば、すでに多数の「ロボット兵器」が使用されています。撃ちっ放し(発射されたあと外部の操作を受けず自律して誘導する)ミサイルだってある意味「ロボット兵器」と言えますし、現在各種の無人偵察機が空を飛び回っています。「自律式」とは言えませんが、無線もしくは有線で人間が操作する、無人の戦闘車両や爆弾処理車も「ロボット兵器」と言えるかもしれません。これも現在実際に使用されております。
さらに現在、もっと進化したロボット兵器の開発も行われております。一番実用化が早そうなのは無人戦闘機です。そもそも、現在の航空機は離着陸を含めたほぼすべての飛行を自動で行わせることができてしまいますし、一部の無人偵察機には武装だって付いているのです。またアメリカのDARPA(国防高等研究計画庁)は、グランド・チャレンジというロボット車両によるレースを実施し、ロボット車両の実用性を研究しています。これは、さまざまな障害がある約240キロメートルの区間を、規定時間以内に無人車両に走らせるレースで、各車両は外部からの操作を受けず、自律して走らなければなりません。最初はどの車も完走できなかったこのレースですが、今では完走車も出ており、技術の発達を示しています。

ではロボットのもう一つ目の意味、「人間型の機械」という意味ではどうでしょう?
現在、ホンダのASIMOなどをはじめとしたさまざまな人型ロボットのデモンストレーションが行われるようになりました。これらのロボットは人間とほぼ同じサイズをしており、将来の実用化としては介護に使用することなどが考えられています(今は技術力のデモンストレーションという要素が強いですが)。
現在、一般家屋の階段やドアといった人間の生活環境は、当然ながらすべて人間を前提として設計されています。人間とともに行動し、そういった家屋の内部を移動するためには、人間の形をしていた方が一番都合が良いというのが、これらのロボットが人間型をしている理屈です。

ですが、これには違う側面もあるようです。
現在、これらの二足歩行ロボット開発は日本が一番発展しているようですが、なぜ日本で発展したのでしょう? そもそも欧米の技術者からすると、日本人が二足歩行ロボットにかける情熱は「異常」で「不気味」であるといいます。つまり欧米の技術者は、二足歩行ロボットの開発よりも別のことをしているために、日本が一番発達してしまったというのです(もちろん下地となった日本人の技術力があればこそ、ですが)。

ではなぜ、日本人はそこまで二足歩行ロボットに情熱的なのでしょうか。それはやはり『鉄腕アトム』『マジンガーZ』『機動戦士ガンダム』といった、ロボットが活躍するアニメの影響が大きいようです。実際、日本のロボット開発者の数多くは「アニメのロボットに憧れて」その道に入ったという話をされています。
欧米の子供が憧れるヒーローは『スーパーマン』『バットマン』『X-MEN』などのように、たとえ特殊な能力を持っていたとしても、基本的には自分自身の肉体で戦います。ですが日本のヒーローは、先の『マジンガーZ』『機動戦士ガンダム』のほか、戦隊物ヒーローなどのように「人型ロボットに乗り込んで戦うヒーロー」が非常に多いです。
なぜこのような差が出たのか、日本と欧米の文化の差とか心理的側面ですとか色々なことが考えられますが、その理由について考えるのはここでは止めておきます。ですがともかくその差が、実際の二足歩行ロボットの発達に大きな影響を与えたようです。

次回は、具体的な「人型ロボット兵器」の話に入っていきたいと思います。


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