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FLAG予備知識集 / 桝谷直俊
■「戦場カメラマンの始まり」

初めまして、みなさん。
私は、普段はアニメ雑誌などでライターをしているのですが、たまたま私が趣味で軍事の知識をもっていたことがきっかけで、今回この『FLAG』のお仕事に呼んでいただきました。
これから『FLAG』応援企画としてこの私の日記ページに「『FLAG』各種取材リポート」や「知っていると『FLAG』がより深く楽しめるかもしれないし意味ないかもしれない知識の数々」やなどを掲載させていただきたいと思います。

まず、『FLAG』のテーマでもある、「戦争における報道」「戦場カメラマン」などということについて書いていきたいと思います。


始めて戦場が写真に撮影されたのは、1846〜48年に行われたアメリカ・メキシコ戦争だと言われています。また1853〜56年のクリミア戦争では、イギリス人カメラマンによって組織的に戦場の写真が撮影されていますが、その枚数は数百枚程度と多くはありませんでした。まだ当時は、写真の撮影が技術的に難しく、写真の大量生産も困難だったためです。
戦場カメラマンというものが一般に認知されるようになったのは、写真技術が改善されてきた1861〜65年のアメリカ南北戦争からになります。当時のアメリカの写真家マシュー・ブラディは、助手とともに北軍に同行し、3500枚以上もの南北戦争の写真を撮影しました。

ただ当時の写真は、いくら以前より改善されたといってもやはり現在の水準から比べると露光にかかる時間が長く、動く被写体を捉えることはできませんでした。さらに当時は、撮影直後その場で現像作業を行わないとなりませんでした。そのためカメラマンだけではなく、馬が引く移動式の暗室が、技術者と共に移動して戦場へ向かい、撮影した写真は直ちに移動式暗室の中で現像作業を行いました。また当時はネガにガラスを使用していたため扱いも面倒で(もちろん割れたら失敗です)、当時の技術者は相当苦労したようです。

動く被写体は撮影できなかったため、当時の写真は直接の戦闘状況を撮影することはできませんでした。それでも人々は、戦場で撮られた写真、特に戦場の生々しい死体の写真に大変な衝撃を受けたということです。
当時の人々は、息子や夫を戦場に送り出したとしても、新聞や手紙でしか戦地の状況を知ることができませんでした。そこで人々は、新聞に載る写真や、写真スタジオに展示される戦場写真をこぞって見に行こうとするようになったということです。

その後、動画の撮影が可能なカメラの誕生により、「戦場におけるカメラ」の意味がさらに大きくなることになります。その話はまた次回。


©TEAM FLAG/Aniplex・The Answerstudio